純粋な水ってなんだろう
純粋な水ってなんだろう
水分子は単純にH2Oで表していいのでしょうか。
そのためには原子の中心にあって化学結合に関係していない原子核を覗いてみる必要があります。原子核は陽子と中性子が強く結合してできています。原子の体積のほぼ100%は雲のような電子が占めています。しかし、質量の大部分は中心にあるごく小さな原子核です。
原子核は元素の「化学的」性質にはほとんど関係していませんが、沸点や融点のような物理的な性質には影響が出ます。
詳しくみると電子1個をつかまえている原子核は一種類ではありません。ユーリーは水素を液化する実験で、化学的な性質は同じだが、凝固点の異なる重水素を発見しました。
この重水素の原子核の構造はチャドウィックによって発見された中性子によって明らかにされました。さらに後年、水素にはもう一種類(三重水素)があることも分かってきました。それらは1H(軽水素)、2D(重水素)、3T(三重水素)と表されます。
安定的に存在する水素原子は2種類、酸素原子は3種類あるので、これらの組み合わせで水分子を考えてみると、16Oで、H2O、HDO、D2Oの組み合わせが考えられます。
したがって、17O、18Oを考えれば、天然には9種類の水が存在していることになります。このように考えると、「純粋の水」ってなんだろうかと考えさせられてしまいます。
つまり、純粋なH2Oをつくることなど人間にとっては不可能なのです。
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